5時限:建築関連用語と法律
素人さんに住宅建築の専門用語を説明している本としては
住宅金融支援機構編著・(株)井上書院発行の
[フラット35]対応『木造住宅工事仕様書』平成○○年改訂(全国版 )
(設計審査用の書類を金融機関から手に入れる時、その中の一冊です)があり、
分かりやすく書いてあります。 勿論、木造以外もあります。
それ以前に、家づくりで知っておいたほうがよい簡単な用語の説明と解説をここでお噺します。
青字は法令文をほぼそのまま記載しています。
(ダジャレ、比喩、ジョーク、チクッ)入りしまいの方に日本の故事名言あります
あ行
青田売り |
不動産関係業界で未完成の宅地或いは建物の売買を言います。 これについては、宅地建物取引業法により広告の開始時期の制限や 工事完了時における形状・構造などの書面による説明、 契約締結などの時期の制限、手付け金の保全の規制を受けます。 |
延焼のおそれのある部分 |
隣地境界線、道路中心線、同一敷地内の二以上の建築物(500m2以内は一の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、 1階は3m、2階以上は5m以内にある建築物の部分。 防火上有効な公園、川などがあると緩和さます。 |
階数 | 塔屋や地下室などで建築物の水平投影面積の1/8以下のものは階数に算入しない。 |
確認申請 |
建築基準法で殆どの建物を計画する時に、役所にあるいは指定確認検査機関あてに申請し、関連法規に適合しているかどうかの確認を受けます。 |
瑕疵 | 民法の法律用語としても使われていて、当初約束されていた品質や性能と異なることを言います。平成12年4月以降に契約した全ての新築住宅に対して、10年以内に発生した構造耐力上主要な瑕疵や雨漏りが発見された場合は無償で補修等を行うことが義務づけられました。ただ、何もかもが無償になるわけではありません。 |
壁式構造 |
RC造で壁が鉛直荷重を支える方式。 |
換気 |
居室にはその床面積の1/20以上の窓などをつけなければいけません。 引違い窓は1/2を有効とします。室の用途によっては換気設備(機械による)をつける必要があります。台所、浴室など。 平成15年7月以降に着工する建物の居室には 24時間運転の換気扇の設置が義務化されました。 建物全体をまとめて強制換気する方法もあります。(シックハウス対策が法律で定められました) |
完了検査 |
建築工事が完了したら4日以内に完了検査申請書を提出し、役所にあるいは指定確認検査機関の検査を受けます。合格すると検査済証が交付されます。 原則として、これがないと建物を使ってはいけません。 ローンが出来ない時もあります。 |
居室 |
居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。 玄関、廊下、階段、トイレ、洗面所、脱衣室、浴室、更衣室、車庫、湯沸室、リネン室、倉庫、納戸、機械室などは違います。 |
建築 | 建築物を新築、増築、改築、移転すること。 |
建築基準法 |
(目的)第1条:建築物の敷地、構造、設備、及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。 最低の基準であることを理解しましょう。 |
建築設備 | 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機、若しくは避雷針をいう。 |
建築主 | 建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。 |
建築物 |
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの。 類するものや付属する門や塀も・観覧席、地下の施設も含まれます。建築設備も含みます。 |
(特殊建築物) |
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、屠畜場、火葬場、汚物処理場、その他これらに類する用途に供する建築物をいう。 不特定多数の人が集まるところと思えばよい。 |
建築物の高さ |
地盤面からの高さ。 道路斜線の場合は前面道路の路面の中心からの高さ。 塔屋などが小さい場合はその分は算入しない。 |
建築面積 |
建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。 庇などは先端から1mは算入しない。 建蔽率の算定にも使います。 |
建蔽率 |
建築面積の敷地面積に対する割合。 建築面積/敷地面積=3/10・8/10などと都市計画の用途地域で決まっています。 用途地域の指定のない区域は7/10です。緩和規定もあります。 |
工事施工者 | 建築物、その敷地若しくは工作物の請負人 又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。 |
工事監理者 |
建築士法第二条第六項に規定する工事監理者をいう。(そのものの責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。 これ以外にに4時限設計監理に記した業務を行う。現場に盗人の番をしにいっているわけではない。 |
構造耐力上主要な部分 | 基礎、基礎杭、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋違、方杖、火打など)、床版、屋根版又は横架材(梁、桁など)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の振動若しくは衝撃をささえるものをいう。 |
さ行
採光 |
建物の用途により居室には採光のための窓などの面積が決まっている。 住宅では1/7以上。 日照とは違うので方位は問わない。 自分の建築物の高さと隣地境界線の関係で算入できない開口もありうるので注意する。 |
敷地 |
一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。 建築行為の最も基本となるもの。これが明確でないと何も前に進まない。 農地の場合は農地転用の許可がおりてから建築行為にとりかかる。 登記上、一筆の土地でも建物の用途が異なる場合は敷地を分ける必要があります。(分筆はしなくてもかまわない) 道路に2m以上接していないと建築はできません。 (接道義務と言います) |
敷地面積 |
敷地の水平投影面積。 道路の形態などで敷地面積に算入できない部分がある場合があります。 表面積ではありません。 |
主要構造部 |
壁、柱、床、梁、屋根又は階段。 建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小梁、庇、局部的な階段その他これらに類するものは違う。 |
準防火性能 | |
設計 |
法的には建築士法第二条第五項に規定する設計をいう。(そのものの責任において、設計図書を作成することをいう) 図面を描いたり、プランを作ったり、方眼紙に間取りをつくることもそう呼ばれる。 |
設計者 | そのものの責任において、設計図書を作成した者をいう。 |
設計図書 |
基準法:建築物、その敷地または工作物に関する工事用の図面及び仕様書(原寸図の類を除く) 士 法:建築物の建築工事実施のために必要な図面及び仕様書(原寸図の類を除く) |
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た行
食べ過ぎ 立てば食欲、座ればベタン、歩く姿に無理がある!
耐火構造 |
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能に関して、RC造、CB造などの構造かそれに同等の耐火性能を有するもの。S造でも可能。 |
(準耐火構造) |
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能を有するもの。 S造などがある。木造でも可能。 |
耐火建築物 | 主要構造部を耐火構造とした建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に政令で定める構造の防火戸その他の防火設備を有するもの。 |
(準耐火建築物) | 耐火建築物以外の建築物で、主要構造部を準耐火構造又は準耐火構造及び耐火構造としたもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に政令で定める構造の防火戸その他の防火設備を有するもの。あるいはこれらと同等の耐火性能を有するもの。 |
耐水材料 | 煉瓦、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスなどの耐水性の建築材料。 |
地階 |
床が地盤面下にある階で、床から地盤面までの高さがその階の天井高さの1/3以上のもの。 床から地盤面までの高さが 0.8m以上で、天井高さが2.4mなら地階になる。 |
築造面積 |
工作物の水平投影面積。 立体駐車場などは別に算定基準がある。 |
ツーバイフォー
構法 |
2×4材や2×6材と言ったインチ表示の規格木材と構造用合板で組まれた枠組壁を使った構法。鋸と金槌と釘でそのほとんどを造ります。ロの字型に並べた半柱に合板を打ち付けて、面で体力を確保すると思うと分かりやすい。少し器用な人ならできそうです。 耐震性、断熱性、気密性などに優れるが大きな開口をつくり難いことや改造するときに制約を受ける。 |
道路 |
幅員4m以上を道路と思ってください。 |
都市計画区域 | 都市計画法第4条に規定する区域。市役所、役場でわかる。 |
な行
難燃材料 | 難燃合板、難燃繊維板、難燃プラスチック板その他の難燃性を有するものとして建設大臣が指定するもの。認定の符号(シール)がついている。 |
22条地域 |
耐火建築物及び準耐火建築物以外の建物の屋根は不燃材料で造るか葺かなければなりません。 外壁で延焼のおそれのある部分は準防火性能を持った材料で造らなければなりません。 茅葺き屋根はできないのです。 用途地域が定めてあるところはこの地域と思って下さい。(市役所、役場でわかります) |
布基礎 |
鉄筋コンクリート造で、断面が逆Tの字型の基礎。木造住宅などの比較的に軽い建物の基礎として使われることが多い。外壁や主な間仕切壁の下に連続して設ける。 建物自重は、フーチングと言う下部の広がった部分から地盤に伝わる。 |
延べ面積 | 各階の床面積の合計。地下室やロフト、バルコニー、屋外階段、出窓など算入されない緩和規定もある。容積率に反映する面積も緩和規定がある。 |
は行
軒の高さ | 地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さ。 |
延べ面積 | 建築物の各階の床面積の合計。容積率算定にも使うが、この場合は一部緩和がある。 |
不燃材料 |
建築材料のうち、不燃性能を持つもの。 コンクリート、煉瓦、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニューム、ガラス、モルタル、漆喰その他のこれらに類するもの。認定の符号がついているものもある。 |
(準不燃材料) | 木毛セメント板、石膏ボードその他で不燃材料に準ずる防火性能を有するものとして建設大臣が指定するもの。認定の符号がついている。 |
べた基礎 | 建物の1階とほぼ同じ大きさの板状のコンクリートスラブ(床版)と、外壁や主な間仕切壁の下に配置する基礎梁とで構成される舟状の鉄筋コンクリート造の基礎。 |
防火性能 | |
(準防火性能) |
建築物の周囲で発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能。 |
ま行
や行
床面積 | 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。 |
容積率 |
延べ面積の敷地面積に対する割合。 延べ面積/敷地面積=5/10・100/10などと都市計画の用途地域で決まっています。 用途地域の指定のない区域は40/10です。緩和規定もあります(手続き必要)。 |
用途地域 |
都市計画法第8条に定めてある。 市や町の中を第○種住居地域・商業地域など細かく分けていて、よりよい都市環境を守るために、地域ごとに建ててよい建物の種類や大きさを制限している。 建蔽率や容積率、壁面線などもこれを調べるとわかる。 自分の土地だから何を建ててもよいわけではないことが分かります。 |
ら~わ行
路地状敷地 | 路地の先にある敷地。「旗竿敷地」とも呼ばれる、接道義務を満たす為に2mだけ道路とくっついていて、その奥の方に家を建てる為の敷地がある状態を言います。条例により奥行きと路地幅が決められています。 |
枠組壁工法 | 一般的に「ツーバイフォー構法」と言われるもの。そちらを参照してください。 |
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日本の故事名言より
起きて半畳寝て一畳
家の中でおきているとき必要なのは半畳、寝てもわずか一畳だけである。
人独りが暮すには、この広さで十分だということ。
総じて、足るを知って分に案じるということ。
片手で錐(きり)は揉めぬ
左右のての力が平均して加えられないと穴が曲がったり、錐が途中で折れてしまう。
何ごとも心をひとつにしなければ、成功しないと言ってるわけです。
考えは雪隠
雪隠とは便所のこと。「あいつはせっちん大工だよ」といえば、便所ぐらいしか造れない腕の悪い大工のことをいう。
かなり相手を馬鹿にした言い方だが、腕がものいう職人の世界ではしばしばつかわれる。
さてそのトイレだが、日常生活でここほど気の休まるところはない。ただ独り、完全に孤独の時間がすごせる。?
ウン、ウン うなりながら瞑想にふければ、良い知恵も浮かんでこようというものだ。
人と契らばよく見て語れ
簡単に他人に心を許すな。まず相手をよく観察し、次に十分に語り合って人柄を見極めよ。
金は三欠にたまる
お金をためるなら、三つのこと、義理・人情・交際を欠くぐらいでなければ
たまるものではないという意味のことわざ。
「地獄の沙汰も金次第」「金の光は七光り」「金があれば馬鹿も旦那」というわけで、
「金持ち金を使わず」の要領でいくらためてみても、「金と塵は積もる程汚い」と陰口をたたかれる。
こちらは好意で多少用立ててやれば「借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔」でいっこうにらちがあかない。
無理に取り立てれば「金の切れ目が縁の切れ目」「金の貸借不和の基」ということになる。
結局、「貸すことは友をつくっても催促は敵をつくる」というわけで、
どうも「一円を貸すより一銭を恵め」ということらしい。
金というもの、ため方もさることながら、使い方のほうがもっと難しいらしい。
とはいえ、「それにつけても金の欲しさよ!」が偽らぬ気持ちです。
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」
「足るを知らざる者は富むと言えども貧しく、足るを知る人は貧しいと言えども富む 」
「無」を 理想とする仏教精神がこめられていて、なんとも味わい深い。
お金のところを引用しました。大切に使いましょう。